映画評・作品評のページ
2012年8月 寅さん
◆『男はつらいよ 葛飾立志篇』(1975年)で、大学の助手をしていて、寅さんの家庭教師になった樫山文枝が、無骨な大学教授に結婚を申し込まれる(悪い奴ではない)が、断るというところは良かった。恋の成就だけが人生ではない、というのはとても良い。
◆ 社会的包摂という概念は、やっぱり偉そうなんだよなぁ。ドロップアウトを容認するとか、排除せずに仕事や教育などを提供して社会に包摂するというのも、その目指すのはわかるが、官僚とか政治家とか、学者とか、社会の中央の視点、上からの視点なんだよなあ。これは、前から僕の友人が言っていて僕もそう思っている(このブログでも書いている)が、ほとんどの人は気づいていない。
それはどの立場(はしっこ)に立っているかというのと、感性の問題だ。それは例えば,寅さんが包摂されることを望んでいるか、嬉しいかってことを考えれば少しは想像できるんじゃないか。仕事を与えてあげる、教育訓練を保証してあげる、居場所を与えてあげるというのは、寅さんは嬉しかったりそこに落ち着くか。
ドロップアウトをいうなら、多くの人は自分の生活を、ドロップアウトな生き方から逆に見直すことが必要なんじゃないの。それが尊敬とか、多様性とか、認めるってこと。それ何に、全く自分の主流秩序のなかに一づいている生き方を見直さずに、付け足し的に、社会から排除されている弱者」を包摂してあげましょう、というニュアンスを持ってしまっていて、そのことにも気づかないとしたら、それは鈍感ということだ。
寅さんという場所から見えるものは、たいがい、ええでー
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2012年8月 映画 「誰も知らない基地のこと」
いい映画。基本的に、いかに米軍が世界中を支配しているか、それが米国の若者の雇用対策になっているか、産業になっているかがよくわかる。そしてあちこちで、その地域の人と対立を引き起こしている。
こうした映画はテレビでは流されない。
橋下は、日の丸君が代には起立して国歌斉唱しないといけない、それがルールという。
思想信条の自由の問題ではないという。憲法よりも条例を重視し、ルールを守れという単純愛犬で無理に押しと大洲だけ。論理的ではない。しかしメディアもそれをちゃんと追求しない。
しかし、先日、あるメディア関係者は、メディアはよく頑張っていと言っていた。主流秩序への加担性、権力へのチェック性が見えていないから、自己採点が甘くなっている。言い換えれば、メディアは基本的に馬鹿にされて権力の一部になっていると言われても仕方ないと認めるのが知性である。
その上で自分はどんな記事を書いたり、どんな行動をとるか、その質や行動が問われ
橋下は、国歌斉唱の時に座るのも、「思想の押し付けだ」という詭弁を述べている。皆に座れと押し付けて座らないものを処分すれば「思想の押し付け」だが、国歌斉唱時に起立を拒否するものは、龍人がいてもいいが座る人がいてもいい、その自由(=多様性、異なる意見への寛容)を確保せよといっている。
その違いが分からず、自分は思想を押し付けているのに、それに反対する意見があれば、それも押し付けだというのは頭が悪い証拠である。「わかって言っているのだ」というのは反論にならない。橋下の反論が非論理的で、頭が悪い人にしか言えない理屈だという事実が大事である。
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2015-12-14 『嗤う分身』
https://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/12/14/020633
2015-12-12
The long and winding road
https://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/12/12/034748
2015-12-11 いいものをみた 韓国ドラマ「ピノキオ」
https://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/12/11/011143
2015-12-08 溝口健二監督『祇園囃子』
https://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/12/08/185021
2015-12-02 水木しげるさん
https://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/12/02/012442